Interview
#15

〝料理家・モデル・ランナー〟
三足のわらじで美しさを提案する実業家
「おいしい」を楽しんで美しくなる
心も体も満たされる食の体験を提案したい

浅野 美奈弥さんMINAMI ASANO

料理家 モデル
ランナー

1991年、北海道札幌市生まれ。学生時代からモデル活動をスタート。過度なダイエットで体調を崩したことをきっかけに健康を見つめ直し、料理家を目指す。2019年にケータリング「美菜屋」を始動。2021年にアトリエをオープン。ケータリング事業に加えて店頭でのお弁当販売をスタートし、キッチン付きレンタルスペースも併設。会員制ランニングコミュニティ「Go Girl」を主宰。料理家、モデル、ランナーとして幅広く活躍。
https://www.asanominami.com/

ただ美しいだけではなく、体の内側からはつらつとした状態でいたい。多くの人がそんな願いを持っているのではないでしょうか。モデルの浅野美奈弥さんは、過度な減量で体調を崩してしまったことをきっかけに、健康的な美しさを探求するようになったそう。料理家として修行を積んだのち、ケータリング「美菜屋(みなや)」をオープン。彩り鮮やかな野菜中心のメニューが人気を呼んでいます。浅野さんのお話を伺うと、「食」と「くらし」の豊かな関係が見えてきました。

お昼の時間が
楽しくなるお弁当

美菜屋のお弁当の魅力の一つが、彩りです。

「たくさん色が入っているということは、その分栄養素もたくさんあるということ。見た目にも可愛く、味もおいしく、ボリュームもあって満足できる、ということを意識しています」

浅野さんは、ケータリング事業として美菜屋をスタート。これまで自分がモデルとして経験してきた撮影現場の様子を理解しているからこそ、こだわったポイントがいくつかあります。

「野菜が中心のお弁当って、味が薄かったり、量としても物足りなさを感じたりしてしまうこともあって。結局、休憩時間にお菓子を食べてしまう、ということが自分もありました」

美菜屋の野菜のお惣菜は、ご飯が進むしっかりとした味わいが特徴で、ほんのりとスパイスが効いた風味も人気。野菜が苦手な人が美菜屋のお弁当を食べて克服した、という声や、見た目の可愛さにテンションが上がって、お昼の時間が楽しくなった、という声も寄せられているそうです。

家で作る食事と、冷めてから外で食べる食事では味の感じ方も変わります。時間が経つと野菜から水が抜けることも念頭に入れ、おいしく食べられるように味付けには研究を重ねました。

浅野 美奈弥さんイメージ

忙しい時こそ
おいしいものを

「疲れているときにはちゃんと食べたほうが、精神的にもいい状態でいられると思います。コンビニ弁当が続いて、体調が優れないだけでなく気分が落ちちゃう……という人を周りでも見るので。それから、おいしいだけでなく見た目が華やかなものを食べたほうが頑張れると思うんです」

忙しいと手間を削りがちになってしまうのが、食。浅野さんは、「一回の買い物で購入したものを長く保存できるように『みつろうラップ』を使う」「小分けにして冷凍保存し、食べるときにそのまま調理できるような状態にしておく」といったコツを教えてくれました。

「あと、おすすめなのが具沢山スープです。私もよく作るのですが、一つのボウルでタンパク質も野菜も取れる具材にしています。一度作っておけば食べるときに温めるだけなので、忙しい毎日の中では重宝していますね」

シンプルに肉や野菜の旨味を味わえるため、化学調味料も加えません。素材の良さを最大限に引き出すことが、浅野さんが日々の手料理で大切にしていること。そして、その考えは美菜屋のお弁当にも生かされています。

浅野 美奈弥さんイメージ
浅野 美奈弥さんイメージ

走って自分の心と体を
ととのえる

浅野さんにはランナーとしての面も。運動は健康づくりの上でも欠かせない要素の一つです。

「フルマラソンを走ったのがきっかけで、走ることの気持ちよさに目覚めました。自分の心と体をちょうどいい状態にととのえるために大切な習慣です。走っている時は、辛いなあと思うんですけど(笑)、でも走り終わると必ず『走ってよかった』と感じるんです」

習慣になるまでが大変だったそうですが、現在は週に2、3回、一度に5キロ以上は走っているそう。走っていると、ネガティブな考えが浮かんで来ず、ポジティブなマインドになれるのもメリットだと言います。

同じ目標を持った仲間同士で集まりたいと考え、2019年にはランニングコミュニティ「Go Girl」を立ち上げました。一人で黙々と走り続けるよりも、「みんながいるから」と頑張れるのが魅力です。月に2度、会員で集まって走ったり、ヨガや登山などのアクティビティを楽しんだりするそう。現在、2022年3月の大会を目指して練習に励んでいるとか。大会にエントリーするのも、モチベーションを維持するために大事なポイントだと教えてくれました。

浅野 美奈弥さんイメージ

「軸」があるから
食事が楽しい

料理家、モデル、ランナー。3足のわらじを履いて忙しい日々を送る浅野さんですが、くらしを楽しむために意識している習慣はあるのでしょうか?

「考え方はボジティブに、というのは意識しています。マイナスなことを考えていると、実際にそういう出来事を招いてしまう、と思っていて。あと、早起きも大事。朝の時間をちゃんと確保すると、走ることもできますし、仕事もちゃんと余裕を持って整理できます。その日の朝をどう過ごすかで、良い一日を過ごせるかが決まるかな、と」

日々の中で一番わくわくするのは、やっぱり、おいしいものを食べた時。今、自分の食べたいものを好きな時に食べることができるのが大きな喜びだそう。

「食事の『軸』を整えていて、運動もしているので、その時自分が食べたいものを食べても、その『軸』に戻ってこれるという安心感があるんです。自分がその時食べたいものは、体が欲しているもの。欲求に素直に従った生活が送れるようになりました」

浅野 美奈弥さんイメージ

真に満たされる
食の体験をこれからも

2020年9月、浅野さんがインスタグラムで投稿した「アース弁」が話題になりました。これは、今まで捨てていた野菜の芯や皮、鶏皮などを使ったもの。コロナ禍でオーダーが減り、時間ができた際に、ふと、今まで捨てていたものを料理にしたらどうなるんだろう、と思って作り始めたそうです。

これをきっかけにSDGsへの取り組みにも関心を寄せるようになり、現在、美菜屋のオンラインショップでは環境負荷の少ないサスティナブルなアイテムを揃えるようになっています。

「社会活動などに対して、今までは、自分一人がやってもあまり変わらないとどこかで思っていたんです。でも、アース弁を発信したら『私もやってみました』と輪が広がった感じがして。環境問題などについてはまだ勉強不足の部分もあるので、学んでいきたいなと思います」

そして、今浅野さんが大きな目標として据えているのが、美菜屋の更なる成長。たった一人で始めたケータリングの仕事は、今や10数名ほどのスタッフを抱えるまでになっています。デパ地下や商業施設などへの取り扱い先の拡大や、コロナ禍が落ち着いたらパーティでのケータリングも本格始動したいそう。さらに、子どもたちへの食育などにも関心があると言います。

「日常の中で、8割以上は会社とスタッフのことを考えています。夢に見るくらいです。この前なんて、スタッフのお母さんまで夢に出てきて(笑)。組織作りも含めて、もっともっと美菜屋を成長させていきたいです」

しっかりとした食習慣を身につけて、食事を心ゆくまで楽しむ。新しいおいしさと美しさを提案する浅野さんの挑戦は、これからも続きます。

浅野 美奈弥さんイメージ